株日記

配当利回りを投資の基準にする際の思考法

株式投資の手法の1つに、配当利回りを基準にする方法がある。高配当銘柄に投資するメリットは、①配当利回りが高いので、株価が下がりにくい。②配当利回りが高いので、買いが集まり、株価が上がる可能性が大きい。③長期保有が目的なら、銀行に預けておくよりも利回りがよい。といったものが上げられる。

①の場合について考えてみよう。配当利回りが高いと、株価は下がりにくくなる。この下がりにくくなるという予想を裏付けするためには、配当利回りが最低でも3%以上、出来れば4%を越えていると、株価の底堅さを強く担保することが出来る。

三井住友フィナンシャルグループを配当利回り4%以上の時に購入してみたが、今現在65%以上の含み益が出ている。大型株が4%以上と高利回りだったので、普段より安心して購入することが出来た。多少下がっても配当金でカバーできるという考え方も出来るからだ。

配当利回り4%ということは、25年間保有し続ければ、投資した金額分の利益がそのまま手に入るという事だ(ただし税引前)。もし会社が傾けば株価が下がり、配当金も無配となる可能性もあるが、その懸念は他の会社も同じ事で、配当利回りの低い会社と比べると、多少の下落をこれまで貰ってきた配当金でカバーできるので、リスクを減らせるという観点が成り立つ。

②の場合は、配当利回りが高く放置されている銘柄は、買いが集まる可能性があるという事だ。特に業績に曇りのない会社なら尚更のこと、近い将来買いが集まる可能性が高い。では何故配当利回りが高いのに放置されているのか。投資家心理が悪化している、まだ目を付けている人が少ない、事業内容に株価を押し上げるほどの将来性が見当たらないといった原因が挙げられる。

大暴落による投資家心理の悪化

投資家心理が悪化している時は、売りが売りを呼んで、配当利回り4%、5%以上と高くなる銘柄も出てくる。そんな銘柄に目を付けて、大暴落の時に買いに進むのは、嵐の中を突き進むようなもの、風車に向かって突進していくドンキホーテのような行動だが、このような時に大胆な行動が取れる投資家こそ、上手く儲けることが出来る。

もちろん風の性質を読むことも大切だ。それが相場の転換点となる悪性の嵐なのか、すぐに止んで青天井を広げてくれるタイプの嵐なのか、見極めることが肝要だ。このように相場に嵐が発生した場合、過去の嵐の事例を研究することが大切となるだろう。

事業内容の将来性の懸念

幾ら配当利回りが高くても、事業内容に将来性や透明性がないと、配当利回りが高いだけの銘柄となってしまう。このような銘柄はなかなか上がらない。配当利回りが高いので長期保有には向いているが、新興や小さな会社だと株価が更に下落するリスクも孕んでいる。将来性がないという事は、今後事業規模が萎んでいくという事だから売り上げも下がり業績も悪化すると目されて、株が買われないという事だ。だからいつまで経っても上がらない。今は何とか業績を維持できているから株価は均衡を保っているし、利回りの高い配当金で投資家に還元できているが、市場規模が縮小するとあっという間に業績が悪化して株価の大幅下落に繋がりかねないという懸念から、投資家の資金が集まらない。

10年経っても上がらない銘柄もある。つまりいつまで経ってもキャピタルゲインが得られない。

株に投資する際に投資家は短期・中期・長期投資をそれぞれ名目にするが、購入時には中長期投資を目的にしていても、実際には大きく上がればキャピタルゲインを得るために売却する事だってある。その逆に、短期投資で購入したが、勢いが変わったので、長期に切り替える事もある。その都度の時勢によって投資目的は変わるだろう。

投資家の本音としては、一刻も早く1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍にまで株価が上がってくれる事を臨んでいる。保有株を売却してキャピタルゲインを得たいものだ。しかし上がらないのだからストレスも溜まる。配当利回り4%としても買値の2倍になるのに25年待たなければならないという事だ。ヘタをすれば鬼籍に入っている可能性だってある。金は冥土までは持っていけない。だから早く上がって欲しいと願う。だから将来性のない、株価がいつまで経っても上がらない銘柄は、配当利回りが高くても敬遠される傾向にある。

実質配当利回りを基準にする

株主優待制度は日本独自の制度だ。この制度を鑑みるに、株主優待こそ、投資対象とした会社を知る為の最も理に適った制度ではないだろうか。何故なら株主優待で送られてくるその会社の商品やサービス利用券などで、会社が提供している製品やサービスに直に触れて、どのような会社なのか肌身で感じる事が出来るからだ。投資の基準として、そのサービスが社会にどのように役立てられているのかを知るという理想主義的な投資指針があるが、株主優待制度はまさに理想に叶った制度と言えるだろう。俗に例えると、デパートやスーパーの試食に似ているところがある。

この株主優待で得られる製品やサービスを金額に置き換えて、配当金の額に加えた数字から導き出される配当利回りの指数を実質配当利回りと言う。配当金の額が少ない、すなわち配当利回りが1%以下と低くても、株主優待を加えると、実質配当利回りが8%や10%を越える銘柄もある。雑誌などでよく紹介されているので、1度確認してみると良いだろう。こうなると一気に投資妙味が出てくる。典型的な例がビックカメラで、一時実質配当利回りが10%を越えていたように記憶している。その当時に購入したが、株価はその後100%以上値上がりした。つまり実質配当利回りが高い、それも10%前後となると、実質10年で投資した金額の元が取れるという計算だ。10年間会社が潰れなければ、投資分を回収できる事にもなるし、株価が値上がりすれば更に利益が出るという事になる。

株主優待を投資基準にした際に気をつけたいのは、業績が悪くなれば、株主優待の内容が改悪されるリスクが常に顕在している点であろう。そうなると元も子もなくなる。結局の所、投資をする際には、今現在の業績や将来性を財務諸表から読み解き、吟味しなければならない事は言うまでもない。